オリックス吉田正尚外野手(23)が23日、開幕ピンチに陥った。腰痛のため、2試合連続で広島戦(京セラドーム大阪)を欠場。神戸市内の病院で精密検査を受け、「急性筋性腰痛」と診断された。今日24日以降も1軍に同行する見込みだが、福良淳一監督(56)は最悪、開幕不在も覚悟。最下位からの逆襲を期す打線の中軸と期待されるだけに、心配な材料が発生した。

 この日のグラウンドに、吉田正の姿はなかった。京セラドーム大阪は訪れたが、試合前練習中はベンチ裏の別室で腰痛の治療に専念。その後、神戸市内の病院でMRI(磁気共鳴装置)などによる精密検査を受け、「急性筋性腰痛」と診断された。前日、打撃練習を途中で切り上げ、試合も欠場した症状は、やはり楽観視できないものだった。

 開幕1軍は大丈夫か、と問われた福良監督の表情も曇った。「分からないですね」。今日24日以降も1軍に同行し、球団関係者は「状態を見て、運動量を上げていく予定」と軽傷を強調した。だが、31日のシーズン開幕楽天戦まで1週間しかなく、当面の欠場も予想される。腰は昨季も4月下旬に痛めた箇所で、復帰まで4カ月を要した古傷。不安材料が発生した。

 昨年63試合で10本塁打の吉田正は、2年目の今季、主軸の活躍を期待されるだけに、開幕から離脱となれば痛手だ。福良監督は「(吉田正が)いないことも考えておかないといけない」と最悪のケースも覚悟。早速、吉田正の不在オーダーを実行に移した。

 オープン戦9試合途中出場だった小島を初のスタメン左翼で起用。6年目の背番号38も二塁打2本で2打点を挙げ、7回は決勝点を呼ぶ小技の犠打も決めるなど、5得点快勝を演出した。チームは2年ぶりにオープン戦勝ち越しが決定。同じく腰痛で離脱していた安達がこの日、4試合ぶりに復帰できた救いもあった。

 とはいえ、最下位からの逆襲へ、得点力アップで開幕ダッシュを決めたいチームにとっては、吉田正がいるといないでは大違い。昨年の総得点499は12球団ワースト。開幕戦に出場できるのか…。注目の1週間になる。【松井清員】

 ◆昨季の吉田正 開幕戦から全試合スタメン出場を続けていたが、腰痛のため4月23日ロッテ戦で途中交代し、同24日抹消された。検査の結果「腰椎椎間板症」と判明。当初は復帰まで10日前後とされたが、実際の1軍復帰は8月12日西武戦と、約4カ月もの戦列離脱となった。