浮足立つ相手のスキを突いた佐倉の逆転劇だった。

 1点リードされた2回、先頭の西川僚祐主将(3年)が遊失で出塁。続く諸隈惟大(いっと、3年)の送りバントも失策を誘って無死一、三塁とし、スクイズで同点。その後も早いカウントから打っての3連打などで大量5点を挙げ、一気に逆転して流れを引き寄せた。3回に2点を失ったところで、先発菊地レハン(3年)から今大会成長した藤田修(3年)にスイッチ、6回からは大会最優秀選手賞に輝いた諸隈を送る投手リレーで、八王子の反撃を防ぎ、2年ぶりに春の頂点に立った。

 「普通にうれしいです」と言った西川主将は「ベンチも含めて、試合を重ねるごとにチームワークがよくなっていったのがうれしい」と、チーム一丸を実感した勝利だった。1回戦から6試合を戦った。点差が開いた試合が多かったが、松井進監督は「たまたま、運よくという試合が多かった。大会前は弱くはないが、強いチームとは思わなかった。よくやったと思います」と話した。

 この選抜優勝で、2015年のような日本選手権、ジャイアンツカップの「全国3冠」を目指せる。「目標があるのは選手にとっていいこと」と松井監督。西川は「全国大会がどういうものかわかりました。守備、打撃、全体をレベルアップして、3冠を狙います」と、自信たっぷりに宣言した。