ソフトバンク長谷川勇也の激走が打線に火をつけた。2回2死二、三塁。楽天釜田の甘いフォークを捉えた打球は右翼フェンスを直撃、先制2点適時三塁打を放った。「打席に早く立ちたい。試合に早く出たいと思っていた」。昨年釜田に10打数6安打の好相性を買われ、4試合連続スタメンの上林に代わり8番左翼で今季初スタメン出場した。

 「ハセのタイムリーを見て、熱いものを感じ、自分も打ってやろうと思った」。3回に2号追撃3ランを放った内川の魂をも揺さぶっていた。長谷川勇は4回にも2打席連続となる適時三塁打。14年12月に右足首を手術し、現在も違和感を抱える状態ながらがむしゃらに走った姿がナインを熱くした。先発全員安打の16安打15得点。4連勝中だった楽天の勢いを止めた。

 長谷川勇は1日でも長く野球を続けたいと、今季アシックス社にスパイクの改良を申し出た。これまでは足首を固定する形から可動域を広く使えるものに変更。「思った以上に動けている」と手応えをつかんでいる。采配が的中した工藤監督は「長谷川勇もこれで状態が上がってくれれば。上林もこれからも使っていく」と話した。チーム内の激しい競争がV奪回への推進力になる。【石橋隆雄】