首位奪取へ、勢いを加速させるぞ! インフルエンザA型発症で出場選手登録を抹消されていた阪神藤浪晋太郎投手(23)が24日、甲子園の投手指名練習で1軍に再合流した。明日26日のDeNA戦で先発復帰する予定だ。17年の甲子園初マウンド。ローテを1回飛ばした悔しさを快投で晴らし、チームを上昇気流に乗せる。

 藤浪は投球に飢えている。はや戦闘モードかと感じるぐらい、引き締まった表情。マウンドに上がる瞬間が待ち遠しくてたまらない、そんな顔つきだ。インフルエンザを発症し、先発機会を1度失う形となった。じくじたる思いはすべてボールに込める。

 藤浪 もどかしさはありましたね。抹消されるとも正直思っていなかったぐらいだった。自分の中では(予定通り先週序盤の)中日戦でも間に合ったんじゃないか、ぐらいの体調だったので。投げたいなという思いはありましたね。

 16日に出場選手登録を抹消された。最短10日間での復帰となる明日26日DeNA戦での先発に向け、貴重な時間を丁寧に扱った。鳴尾浜では現役時代から何度も金言を授かった福原2軍育成コーチと、フォームについて再確認した。「しっかり縦のラインを出すとか、体の軸から動きが外れないって言うんですかね。捕手に向かってラインを出していく、縦に振る。余計な動作をしない」。

 西岡が左アキレス腱(けん)断裂からの復活を目指しているジムも訪れ、秀島正芳トレーナーに「体の勉強」を教わったという。「抹消されない、ローテに穴をあけないに越したことはない。その期間が良かったとは言えない。自分にとっては抹消されたことが悔しいけど、良かったという期間にしないといけないので」。17年の甲子園初登板は、満を持してのマウンドだ。

 前回13日DeNA戦は8回1失点で今季初勝利。つかんだ手応えを次は確信に変えたい。「週の最初の方に投げるということになるので、できるだけ長いイニングを少ない失点で、というのが先発の一番の仕事だと思う。徹底してできるようにしたいなと思います」。宿敵巨人に敵地で2勝1敗と勝ち越し、首位広島に1・5ゲーム差。若き大黒柱が、首位どりウイークで復肩を示す。【佐井陽介】