オレが龍馬ぜよ! 広島西川龍馬内野手(22)がプロ1号となる2ランを放った。4点を追う8回1死一塁で代打で登場。DeNAのセットアッパー三上の初球を引っ張った。ファンから「天才龍馬」の愛称で親しまれる若武者が結果を出した。チームは敗れたものの、16安打9得点の猛攻。カード負け越しとなったが、勢いを維持して地元に帰る。

 内角低めの直球に、西川は体をクルリと回転させた。初球から完璧にとらえる打撃センス。同学年の鈴木が「天才と思った」と認めたことから、ファンの間では「天才龍馬」がニックネーム。いかにもその名にふさわしい弾道だ。4点を追う8回1死一塁。代打で登場し、プロ1号をぶちかました。「奇跡の本塁打です。でも思ったより伸びてくれました」と笑った。

 巨大化した肉体で飛距離を伸ばした。「誠也に女の子のお尻みたいって言われたっす」と悲しみ、オフに肉体改造に着手。1日5食を放り込み、入団当初の68キロから現在は74キロまで増やした。疲れがたまり食欲が落ちる梅雨までに75キロを超えることが目標だ。とにかく今は「食欲に素直になろと思って。腹減ったらすぐっす。もう、ホンマにすぐ食べます」。先日は起床してすぐにサラダと「腹減ってたんで」とカップ焼きそば「UFO」をぺろりだ。

 天才的な打撃は一方で感覚が追いついていないのが現状だった。オープン戦で自打球を当てて故障。突貫工事で仕上げ、23日に1軍昇格即代打で放った決勝打、25日にスタメンで巨人菅野から放った安打について「何で打てたか、ホンマに分からんっす。まぐれ、奇跡もいいとこっす」と本気で語っていた。それでもバットに吸い付かせるような打撃で結果を残す。それが天才龍馬の本領だ。

 打線も西川の1発につられるように、DeNAを追い詰めた。9回には鈴木が2戦連続4番弾を放つなど4安打を集め、1点差の2死満塁までいった。0-7で始まった試合だけに、緒方監督は「すごい執念を見せてくれた。出た選手みんなすごかった」とたたえた。DeNAに2カード連続で負け越したが、希望を持って広島に戻れる。【池本泰尚】