7連覇を狙う富士大(岩手)の3番・楠研次郎外野手(3年=東海大相模)が初回の先制ソロ本塁打を含む3安打3打点の活躍で岩手大を9-0(7回コールド)で下し、開幕4連勝した。過去3試合で12打数1安打と苦しんでいた主砲が、試合前の思い付きで急きょ取り入れた「バスター打法」が大当たり。復調のきっかけをつかみ、6日のノースアジア大(秋田)との全勝決戦に弾みをつけた。

 突然だった。初回2死走者なし。楠は打席に入るなり、1球ごとにバントの構えからタイミングをとりだした。6球目の甘い真ん中高めのチェンジアップを振り抜くと、打球はライトスタンドに飛び込んだ。全5打席でバスター打法を貫いて3安打を放ち「今までやったことがない。うまくはまった。(ソロは)こすった感じだったけど風に乗って入った」。不振の3番が苦肉の策で息を吹き返した。

 前日は無安打に終わり、この日の朝の打撃練習でも浮上のきっかけがつかめなかった。「利き腕の左手がうまく使えず、レベルスイングができてなかった」と不調の原因を分析。「バットがスムーズに出るようになった。次まで調子が完全に戻らなければまたやるかも」と笑顔で振り返った。