主砲のバットで、日本ハムが4位タイに浮上した。中田が決勝打を含む2安打3打点の活躍。1、2打席目に好機で凡退した“借り”をきっちりと返した。「みんながつないでくれたチャンスを簡単につぶして、情けなかった。追加点が取れてよかった」。チームは5月を12勝4敗とし、早々と月間勝ち越しを決めた。

 ふがいない思いは胸に秘める。前後を打つ打者が好調な中、本来の打撃が取り戻せない。7回2死一、二塁、144キロ直球をはじき返したフェンス直撃の2点適時二塁打も、「今までの自分の感覚では、もっと飛んでもいいと思った」。WBCから戻ると体重が減り、92キロほどでシーズンインした体は、いまも変わっていない。

 それでも「キレはある。今は連動していないけど、ここからだと思う」と前を向く。栗山監督も「(シーズン)トータル的には必ずやってくれる」。中田が本来の姿を取り戻したとき、昨季王者の逆襲は本格化する。

 ▼日本ハムが1回から1、1、1、1、1、1、2、1と毎回の9四球を選んだ。毎回四死球は14年7月15日DeNAが広島戦で記録して以来11度目となり、パ・リーグでは07年5月22日ロッテ以来7度目。日本ハムは初で、オリックスの毎回与四死球も球団初。今回のように死球を含まない「毎回四球」は97年6月18日オリックス以来史上5度目。