交流戦前最終ウイーク、菅野返り討ちで首位独走や! 阪神は今日23日からの巨人3連戦(甲子園)で6年ぶりに「ブラックユニホーム」を着用し、4・5ゲーム差の宿敵を突き放しにかかる。初戦の相手先発は2週間前に黒星をつけた菅野だ。金本知憲監督(49)は再戦を前に「向こうは燃えてくる」と警戒。この日の球宴ファン投票中間発表で、両リーグ最多得票を集めた糸井嘉男外野手(35)の復調に期待をかけた。

 猛虎に、また分厚い壁が立ちはだかる。巨人菅野だ。2週間前に敵地で対戦したばかりの難敵が今日23日、今度は甲子園のマウンドに立つ。前回9日は8回で4点を奪い、虎が勝った。雪辱を期すであろう男の意地を、勝利への執念で上回る必要がある。

 金本監督 向こうが燃えてくるのに、こっちは負けないようにしないとね。

 キーマンは3番糸井だ。現在、20打席連続ノーヒット。打率は2割7分9厘まで降下したが、9日は初回に先制打を決めて菅野の4戦連続完封を早々に阻止している。通算対戦成績は11打数5安打の打率4割5分5厘。V字回復の起点を迎えそうな気配はある。この日は球宴ファン投票の中間発表がスタートし、両リーグ最多の3万9852票を獲得。ファンの後押しが力に変わらないはずがない。

 指揮官の信頼は「20打席? そんな、まだまだ」と揺るがない。開幕から2カ月近くが経過、疲れがたまる時期。糸井に休養日を作る可能性を問われると、「休みたがらんもん。『いきます』って言うから、『分かった、分かった』と」と笑い飛ばした。自身の現役時代も振り返りながら、近々の上昇気流突入を予告した。

 金本監督 打てない時は何しても打てんよ。(本人は)責任は十分感じている。悔しい思いをしているし、情けない、というね。それが強すぎても力むし。間違いなく、そのうち打てるようになるよ。

 今日23日からの巨人3連戦では6年ぶりに「ブラックユニホーム」が復活する。藤村富美男らが「ダイナマイト打線」を形成した1948年(昭23)から49年の大阪タイガース時代に着用した、全身濃紺のユニホーム。10年の着用時は金本監督らを擁した強力打線が大暴れした。糸井にとっては初の「黒虎」変身。不振に別れを告げるタイミングとしては絶好だ。

 前日21日のヤクルト戦は敬遠球の暴投でまさかの決勝点が入り、連敗は3でストップ。2位広島に2・5ゲーム差、3位巨人には4・5ゲーム差をつけている。さあ、交流戦前最終ウイーク。糸井の復調から宿敵を突き放し、Vロードを固めていく。【佐井陽介】

 ◆ブラックユニホーム 1948年(昭23)から49年にビジターで着用。半世紀以上を経て復活した2010年(平22)は、主砲金本らを擁した強力打線が爆発し、着用した6試合で1試合平均10得点をたたき出した。今回は交流戦で着用した11年以来、6年ぶりの黒虎になる。