ソフトバンクが4発の本塁打攻勢でロッテに快勝した。4-4の7回に4番内川聖一外野手(34)が9号満塁本塁打を放ち、一気に勝負を決めた。3番柳田、5番デスパイネにも本塁打が出て、今季初のクリーンアップそろい踏み。試合が中止となった首位楽天に2・5ゲーム差に迫った。

 チェンジアップをバックスクリーン左へ運んだ。ソフトバンク内川は思わず「ウソやろ、マジか」。満塁本塁打という最高の結果に、打った本人が驚いた。お立ち台ではサファテのイラストが描かれたTシャツを着て登場した。家族の見舞いのために21日の試合後に米国へ一時帰国した守護神へのメッセージだった。内川は「デニスは絶対気にしてくれている。こっちは頑張っているんで、向こうにいる間くらい気持ちを落ち着けてほしい」と話した。

 4回に逆転された苦しい試合も6回に同点に追いつき、7回に4番の一振りで決めた。終わってみればサファテ不在を感じさせない圧勝で2連勝だ。工藤監督も「(内川は)最高の結果を出してくれた。さすが」と笑顔がはじけた。内川の満塁本塁打は通算4本目。昨年6月11日巨人戦以来の2年連続の満塁弾となった。

 クリーンアップそろい踏みは昨年6月3日広島戦以来だ。初回の川島の先頭打者弾も合わせ今季2度目の4発。10得点と打線が苦しい投手陣を援護する。

 内川は8回にも中前安打を放ち、通算2000安打に残り46本とした。「点差が開いていたし、最後しっかり打ちたかった」と、大量点にも集中力を切らさずに打席に立った。11試合連続安打と好調で、打率はチームトップの3割5分2厘をマークする。「チームが勝つとみんな喜んでくれるから」。6月1日から再合流予定のサファテに心配をかけないように、4番が猛打をふるい続ける。【石橋隆雄】

 ▼プロ5年目の笠原が1軍初登板。笠原の父栄一はロッテ、ダイエーで22試合に登板して0勝8敗だった投手で、兄将生も巨人で80試合に登板して7勝1敗だった投手。親子そろって1軍登板は笠原親子の他に会田照夫・有志親子しかおらず、親子と兄弟ともに1軍登板は初めて。また親子と兄弟の1軍出場は、父で投手の照と、ともに野手の剛裕・直倫兄弟が出場した堂上親子に次いで2組目。