巨人岩隈久志投手(37=マリナーズ)が、復活への1歩を踏み出した。沖縄2次キャンプ最終クール5日目の27日、キャンプ1軍メンバーで最後に、正規の18・44メートルの距離で座った捕手へブルペン投球を行った。

ホームベース前に捕手が座ったことはあったが、8度目のブルペンで本格化。前日26日の練習試合で約3年ぶりにマスクをかぶった阿部へ変化球を含め45球。原監督の前で初の投球に「阿部さんに受けてもらえましたし、監督も見ている中で、緊張感を持って投げられました」と汗をぬぐった。

状態は上々だ。「まだまだ上と下のバランスが合っていないので」とフォーム修正を兼ねてセットポジションで36球を投じ、その後にノーワインドアップを試した。1次キャンプの宮崎では、右ふくらはぎの違和感で別メニュー調整が続いたが「すごく良い形で進んできている」と手応えを示した。

それでも原監督は「思ったよりも投げられるな、という印象。ただ開幕までとかそういう部分でいくなら、少しまだ彼には時間が必要」と開幕ローテ入りの考えがないことを示した。キャンプ打ち上げのあす28日に帰京後、2軍に合流予定。宮本投手総合コーチも「5月に来てくれれば」と先々を見据える。17年秋に右肩を手術し、昨季はメジャーで登板がなかった。世界を知る右腕が、8年ぶりの日本のマウンドへ、慎重に歩みを進める。【桑原幹久】