阪神矢野燿大監督(50)が秋山拓巳投手(28)の完全復活に太鼓判だ。

この日、ブルペン投球をチェック。「今季一番良かったのでは。球が手元でベース上で強いのがいい投手の条件。そういう球の質だった」と絶賛。2ケタ勝利をマークした当時のようなボールか、と報道陣に問われ「そうやね」とうなずいた。

秋山は17年に12勝を挙げたが、18年は5勝にとどまり、同年10月に右膝のクリーニング手術を受けた。今季も輝きを取り戻せず、10試合登板で4勝3敗。だが、指揮官は「アキ(秋山)が勝っていたときは(打者がボールと思った)低い球が伸びるから見逃し三振が多かった。そういう球がきていた」と復活気配を感じ取った。

秋山は今季、胸を張ることを意識するあまり、逆に使いすぎて球に力が乗らなかったという。「感触が良かった。続けることができれば。(フォームで胸を)使いすぎないように」。17年は159回1/3で与四球16。今季は50回2/3で同12。直球の球威が戻れば、ストライクゾーンで勝負でき、特徴である与四球の少ない投球につながる。「狙ったところに投げられる雰囲気が出ている」と本人も手応え十分だ。

チームは今季2ケタ勝利が10勝の西だけ。背番号46の復活が、自慢の投手陣をより強固にする。【松井周治】