米アリゾナ州ユマで始まった野球のウインターリーグに参加の吉田えり投手が29日、所属するスコーピオンズの開幕戦に先発したが、2回を3安打5失点と不満の残る初登板となった。

 試合後の吉田は開口一番、「全然駄目でした」と悔しそうに話した。自ら望んで挑戦した米国のウインターリーグでのデビュー戦。2イニングで5四死球を与え、失点を重ねた。

 制球を乱したのには原因があった。紅白戦2試合では使わなかったロージンバッグを初めて使用。ところが「使い過ぎたらしく、1回の途中から(指が)べたべたしてしまった。いつものように(ボールが)抜けなかった」。自慢のナックルボールのコントロールが狂い、窮地に追い込まれた。

 マーシャル監督も「ロージンバッグは不運だった。制球さえ良くなれば、彼女はもっといい投球ができるはず」と擁護した。

 投球内容とは裏腹に、地元ユマで人気は急上昇。この日、地元の「ユマ・サン」紙は、大きな写真付きで総合面のトップ記事として吉田を紹介した。試合はナイターにもかかわらず、観客数は2345人を記録し、試合後も多くのファンからサインをせがまれた。

 吉田は「失敗したからこそ課題がたくさん見つかった。今後はその課題をクリアできるようにしていきたい」と話し、次回の登板を見据えた。

 [2010年1月30日16時56分]ソーシャルブックマーク