清武英利前巨人GM(61)が25日の記者会見で配布したA4用紙8ページにわたる声明文の全文は以下の通り。1

 本件事案の概要について

 本件は、後述するとおり、株式会社読売巨人軍の来期のコーチ人事について、球団代表兼GM・編成本部長であった私が監督や同社代表取締役兼オーナーとも協議したうえで岡崎郁氏をヘッドコーチにする等のコーチ人事編成を行い、その内容を2011年10月20日、同社オーナー(当時)兼代表取締役社長である桃井恒和氏と読売グループ本社代表取締役会長兼株式会社読売巨人軍の取締会長である渡邉恒雄氏に報告したうえで確定したにも拘わらず、同年11月4日には渡邉氏がマスコミの取材に対し、「俺は何も報告聞いていない」と発言し、同年11月9日には渡邉氏が私に対して直接「来期の巨人軍の一軍ヘッドコーチは江川卓氏とし、岡崎郁ヘッドコーチは降格させる」として、上記適正手続きに従って確定したコーチ人事をその一存により違法・不当にも覆そうとしたことに端を発します。

 私は、2011年10月20日に確定したコーチ人事に従い、ヘッドコーチ就任予定の岡崎氏や読売巨人軍原監督にもその旨伝えて、同年11月11日には岡崎氏と契約書を取り交わす予定となっていました。

 それにもかかわらず、渡邉氏は、正規の適正手続きを経て確定した「岡崎氏ヘッドコーチ」という人事を、独断でいわゆる「鶴の一声」で覆そうとしたのです。

 私は、渡邉氏の行動が重大なコンプライアンス違反であるとして、翻意するようお願いしましたが、渡邉氏は翻意するどころか、「1、2年後には君を社長にする。すべてのことを受け入れて、専務、球団代表、オーナー代行として仕事を続けてくれ」などとして翻意されることはありませんでした。

 そして、この状態を放置すれば、上記適正手続に従って確定していたコーチ人事が違法不当にも覆され、渡邉氏の一存で決められた人事が罷り通ってしまう危険性が切迫していたことから、私は、やむを得ず、今月11日午後2時文部科学省において、渡邉氏の重大なコンプライアンス違反を明らかにし、同氏がそれを反省し、是正することを求めて記者会見を行ったのです。(原文のまま)