ソフトバンク杉内俊哉投手(31)が29日、FA権を行使した。代理人である酒井辰馬弁護士(45)が福岡市内の球団事務所で記者会見を行った。杉内は昨オフから導入した新査定制度に納得がいかずにFA宣言することを決めた。今季わずか8勝に終わったが、球団から想像をはるかに超える破格のアップとなる条件提示を受けた。だが、新査定制度を受け入れることはできずにアジアシリーズ決勝戦の日に権利を行使した。今後はソフトバンクを含め、獲得を希望する球団と交渉していくことになる。

 また、酒井弁護士が異例の不在となった杉内のコメントを読み上げた。「悩みに悩んだ結果、FA宣言することにしました。選手契約に関する根本的な部分での考え方について球団と理解し合うことができなかった。宣言後は他に僕を必要としてくれる球団があれば、話をうかがいたいし、ホークスとも交渉は継続するつもりです」。

 杉内は鹿児島実高から三菱重工長崎を経て2002年にドラフト3巡目でダイエー(現ソフトバンク)に入団。05年には最多勝、最優秀防御率のタイトルに加え、沢村賞を獲得。08、09年は最多奪三振、昨年まで2年連続で最優秀投手(勝率1位)に輝いた。今季は8勝7敗に終わったが、防御率は1・94をマーク。通算成績は登板225試合、103勝55敗、防御率2・92。