オリックスと大阪府富田林市は11日、オリックスが命名権料を払わずに同市の市営球場に「富田林バファローズスタジアム」の名前を付けるスタジアムニックネーム協定を締結した。命名は来年1月1日から。

 協定によると、富田林市が球場を会場とした市のイベントなどに球団名を使う際には商標権料を払う必要がない。

 市営球場は市立総合スポーツ公園にある。ここには陸上競技場やテニスコートもあり、同市は今後、さまざまな大会やイベントで、バファローズの名前を活用し知名度アップにつなげる。

 球場命名権は、球団側が宣伝価値に見合う権利料を球場管理者に支払い、球場管理者がチーム名を利用する場合は商標権料を払うのが一般的。

 スタジアムニックネームは名付けられる名前が、正式名称でなく愛称(ニックネーム)との考え方に基づく協定で、球団、球場管理者ともに費用を払わずに済む利点がある。

 オリックス・バファローズは2004年、富田林市も通る近鉄が所有していた球団との合併で誕生。オリックスは協定締結で、沿線に今も多い旧近鉄ファンを取り込む狙いがある。

 同市の担当者は「プロ野球チームの名前の付いた球場でプレーすることで誇りを持ち、地元に愛着を感じてくれれば」と期待している。

 契約期間は来年1年間。互いに変更の意思表示がない限り、1年単位で協定を自動更新する。

 地元の富田林高校出身のオリックス前田祐二投手は「自分が過ごした所にある球場に自分の球団名がつくのは心からうれしい」と話した。