1960年代に角界のスーパースターが大鵬なら、野球界で人気を一身に集めたのが巨人だった。「ON砲」として主力だった王貞治、長嶋茂雄両氏が別れを惜しんだ。

 横綱に昇進した61年、川上哲治監督に率いられ、ON砲を擁したチームは、南海(現ソフトバンク)を破って日本シリーズを制した。史上最多11度の日本一に輝いた「川上巨人」の初制覇だった。

 巨人の長嶋茂雄終身名誉監督は「ともにひとつの時代を彩ることができたとすれば『光栄』のひと言に尽きます」との談話を出した。

 65年からは不滅の記録といわれるシリーズ9連覇。大鵬が引退した2年後の73年に、最後のV9が達成された。巨人の元監督でOB会長のソフトバンク王球団会長は「巨人、大鵬、卵焼きと言われた時代、私たちはチームでしたが、親方は一人で国技である相撲を支えてこられた。同じ時代を生きてきただけに寂しい」としのんだ。