【2012年3月15日付・日刊スポーツ】<オープン戦:DeNA1-3ロッテ>◇14日◇横浜

 DeNAのアレックス・ラミレス外野手(37)がオープン戦22打席目で、初安打を放った。3回2死無走者で迎えた第2打席。外角143キロの直球を逆らわずに右前へライナーで運んだ。5回にも中前打を放ち、「ゼッコウチョウ!

 2本出ていい日になったね」と満面の笑みを見せた。

 笑顔にはもう1つ理由があった。この日の午前5時、米国の大学でデザインを学ぶ義理の息子、元ヤクルトのラミレス・ジュニア(28)からメールが届いた。第1子となる娘のチャーリーちゃんが生まれたといううれしい知らせ。ラミレスにとっては2人目の孫の誕生だ。その喜びからか、試合前のフリー打撃では柵越えを連発。「全部いい方向に向かってる。“お孫パワー”でね」と、快音の予感を漂わせていた。

 打撃だけでなく、チームリーダーとしても期待されての加入。これまで好結果が出ていなかったが、「下を向いたらチームメートにどう映るか。常に上を向いてポジティブにいくのが自分のスタイル」と、明るく前向きな姿勢をナインに見せ続けることを心掛けた。

 チームは逆転負けで初の連敗を喫したが、中畑監督も「ラミちゃんで勝負できる雰囲気が出てきて、1歩前進したかな」と待望の1本を喜んだ。孫の来日が待ち切れないというラミレスは、「今日はスペシャルデー。チーム、そしてファンのためにも打ち続けられればいいね」。頼れる主砲が、いよいよ本番モードに入ってきた。【佐竹実】