<羽ばたけ

 楽天ルーキーズ:ドラフト1位

 松井裕樹投手=18、桐光学園>

 甲子園を沸かせた怪物も、野球を離れれば普通の高校生だ。ドラフト1位松井裕樹投手(18=桐光学園)は気分転換の方法を聞かれると笑顔で話し始めた。「練習が終わったら部屋でテレビを見ています。『しゃべくり007』とか見たいんですけど、最近は疲れて寝ちゃうんです。でもアニメの『ワンピース』は絶対見てます」。

 左腕はテレビをよく見る。昨夏の神奈川大会中も「月9」の話題で、報道陣を沸かせた。好きなタイプは女優の武井咲。流行には敏感で、昨年は「人狼ゲーム」というスマートフォン(多機能携帯電話)のアプリに熱中していた。ウソを見抜くゲームで「心理戦で面白いんですよ。これ、絶対に日本代表でもはやらせますから」と高校日本代表に選出された際も、コミュニケーションを取る手段として流行させた。

 今どきの高校生と少し違う点もある。この日、新人合同自主トレ第2クールを終えた。「自分でコンディションをコントロールしていきたい。ケガせず、無理しないように」と自己管理を徹底。入寮時には快眠のためのマットレスだけでなく、特注の枕まで持ち込んだ。「1年かけて自分の土台を作りたい」。そう話す姿は新人離れしたオーラを漂わせている。【島根純】(おわり)

 ◆松井裕樹(まつい・ゆうき)1995年(平7)10月30日、横浜市生まれ。小学2年で野球を始め、3年生から投手。横浜の青葉緑東リトルシニアに所属して中3では全日本選手権で優勝。桐光学園では2年夏の甲子園で10連続を含む1試合22奪三振の新記録を達成した。契約金1億円プラス出来高払い5000万円、年俸1500万円(金額は推定)。背番号1。174センチ、74キロ。足のサイズは26・5センチ。左投げ左打ち。