<阪神2-6横浜>◇9日◇甲子園

 横浜村田は、プレッシャーとは無縁だった。3回2死一、二塁。1、2回と併殺でチャンスをつぶし、凡退なら試合の流れを失いかねない。「力が抜けていましたね」。カウント1-2から、阪神安藤の真ん中に入ったシュートを見逃さず、左翼席へ放り込んだ。先制の9号3ラン。「三浦さんのときは、早い段階で援護ができていなかった」と満足そうに笑った。

 昨季の本塁打王も、見えないプレッシャーと戦っていた。開幕前、波留打撃コーチから「今年は厳しい攻めになる。我慢の年だ」と言われていた。力みの影響もあり、4月は打率2割3分1厘。「タイトルを取ったからといって、本塁打を打ちたいと思わないようにしているし、簡単に打てるものでもない。でも、どうしても自分が打たなきゃと思っているのかも」とも漏らしていた。同コーチは「上体の力が抜けてきた」と目を細めた。

 この日の3ランで、27打点目。同じ24打点で並んでいた阪神金本は2打点だったため、打点王争い単独トップに立った。「そうなんですか?

 打点はチームにとってプラスですからね」とニンマリ。本塁打王より、打点王を目標に掲げる。タイトルよりも、まずはチームの勝利に直結する打点を稼ぐ。【古川真弥】