20日、いよいよ交流戦がスタートする。ここまで23勝25敗の4位。導入4年目で初めて借金を抱え、Bクラスで交流戦を迎えることになった王ホークスだが、初戦となる広島戦(福岡ヤフードーム)には、今季ここまで無傷の4勝を誇る和田毅投手(27)が先発予定。ホークスではエース斉藤以来となる、交流戦通算10勝目を狙う。シーズンの行方を左右しかねない交流戦初戦。背番号21がチームに流れを呼び込む投球を誓った。

 自身2度目の“開幕投手”を前に、和田がさらに気を引き締めた。「去年の交流戦、チームは借金をつくって終わり、それが最後まで響いた。最初がやっぱり大事。何とかチームに流れを呼び込めればと思います」。05年に務めたシーズン開幕投手以来、2度目の「開幕戦登板」での必勝を誓った。

 ここまで4勝0敗。勝率10割と、昨オフに行った左ひじ手術の影響を感じさせない活躍を見せるが、和田の中では煮えきれないものがあった。「今年はまだ完投がないですからね。4勝してるけど、自分で勝ったという試合がない」。今季最長は7回1/3。それ以外はすべて7回までに降板しており「完封、完投は常に狙っている。とにかく頑張りますよ。内容も伴った投球ができればいい」と1人でマウンドを守りきることにも意欲を見せた。

 チームは交流戦がスタートした05年以後、初めて借金を背負ったまま交流戦に突入することになった。チーム状態は決していいとはいえないが、交流戦をうまく乗り切れば、シーズン中盤以降に弾みをつけることができる。昨年の日本ハムは交流戦で12連勝して借金を返済し、そのままシーズン優勝まで突っ走った。交流戦2ケタ勝利にリーチをかける和田は「渚(新垣)も戻って来るし、杉内と3人で先発陣を引っ張って行きたい。交流戦で勝つのと負けるのとでは、その後が違う」と気合を入れ直した。

 20日は王監督の68回目の誕生日でもある。今季無敗の男が、指揮官に3年ぶりとなるバースデー勝利を届ける。【石田泰隆】