藤川、11球団制覇で交流戦Vだ!

 阪神の守護神、藤川球児投手(28)が「レア記録」に挑む。今週対戦する西武、ロッテの両球団からセーブを挙げればセ・リーグ初、1シーズン11球団セーブが達成される。久保チーフ投手コーチは10日、交流戦残り試合でJFKの積極投入を明言。2連戦ごとに休養期間がある日程を有効利用し、さらなるペナントレース独走へ、ラッシュをかける。

 2位中日に7・5差とセ界独走の気配漂うタイガース。今こそ築き上げた最強のリリーフ「JFK」の強みにこだわる。楽天と並ぶ交流戦首位に立った阪神の11勝のうち、リリーフ勝利は7勝。久保チーフ投手コーチは言い切った。

 「先発がよかった後をリリーフが助けて。相互関係ができているのはチームにとっていいこと。これが今のうちのパターンだし変えるつもりはない。勝ちゲームなら彼らも快くマウンドへ行ってくれる」

 藤川は6日ソフトバンク戦から前日9日オリックス戦まで、今季初の4日間連続登板となった。本人は「これまで休ませてもらったから全然大丈夫」と、疲労を口にしない。昨オフもシーズン通して活躍し続ける肉体作りを目指してきた。4、5月と先発が踏ん張ってくれた分も、厳しい梅雨場を乗り切る覚悟はできている。

 安藤の故障、ボーグルソン、能見の降格と先発陣に疲れが目立つ。ただ日程的なアドバンテージもリリーフ積極投入を公言する大きな理由のひとつだ。この日の移動日をはさみ今日11日からの西武2連戦の後、1日空けてロッテ2連戦。さらに移動日、休日を挟む余裕のある日程で4試合を消化し、雨天中止がなければリーグ戦再開まで5日間の休養があることも、久保コーチの頭にある。

 「ここまで決して無理をさせているつもりもないし、空白の5日間もある。休養日も計算している。11球団セーブも勝ちパターンになればチャンスはある」

 1シーズン11球団セーブ。05年から始まった交流戦ならではの「称号」。過去3シーズンで06年に交流戦で優勝したロッテの守護神・小林雅(現インディアンズ)がマークしただけ。藤川が達成すれば、セ・リーグでは初のことだ。今季の藤川はすでにセ5球団からセーブ。対戦が終わったパ球団からはすべてセーブを挙げており、残すは交流戦2まわり目の西武とロッテだけだ。

 西武相手では今季2試合を含んで過去14イニングを投げ無失点。28奪三振と得意。一方、14日からのロッテ戦は05年途中からストッパーに本格転向した藤川にとって通算でもセーブのない相手。「完全制覇」は大きなモチベーションにつながる。