<中日3-2西武>◇18日◇富山

 中日小笠原孝投手(31)が、デビュー10年目で自己最多の7勝目を挙げ、チーム交流戦初の3連勝を導いた。先発小笠原は緩急を使った丁寧な投球で西武打線に集中打を許さずに6回5安打2失点。7回からの残り3回は吉見、岩瀬がパーフェクトで締めくくった。首位阪神が勝ったため7・5差は変わりないが、いいムードでロッテとの交流戦ラスト2試合(21、22日、ナゴヤドーム)を迎える。

 1点差に迫られてからが小笠原の真骨頂だった。5回1死で栗山の4号ソロを浴びた直後。「ランナーをためて一発は最悪。それはしないように思った」。12球団トップの本塁打数を誇る西武打線に、低めの直球と変化球で勝負した。3番中島、4番ブラゼルを二ゴロ。続く6回も3者凡退。6回5安打2失点で自己新記録の7勝目、吉見と並ぶチームトップタイに浮上した。

 「壁」を乗り越えた。昨季は7月18日ヤクルト戦の6勝目から先発10試合で白星なし。今季も前回登板の11日ソフトバンク戦で今季最短の3回1/3でKOされた。登板翌日の12日は近藤コーチとフォームを再確認。さらに登板2日前にブルペン入りする調整を変えて、試合前日の投球練習で結果を出した。「7勝目はうれしい。でもこれからが大事になる。(1年の)前半で調子がいいと、後半は悪くなるとか、そういうのはやめないといけない」と目標の2ケタ勝利を見据えた。

 プロ10年目の左腕は、体調管理に細心の注意を払う。昨夏からエース川上の専属トレーナーである加藤佑介氏に、体のメンテナンスを依頼するようになった。名古屋市内の自宅には、マッサージ専用ベッドと超音波治療器を買いそろえた。今年こそ、1軍と2軍を往復した過去と決別するために、準備を整えてきた。

 小笠原の力投で、交流戦初の3連勝。落合監督は「あそこで止めておいてくれれば、何とか勝ちを拾える」と1点のリードを守った小笠原の力投を評価した。その上で17日に6回途中KOされた山本昌を引き合いに「マサはあそこまで踏ん張らない。7、8、9回は(他の)投手がいるから今日の小笠原は見習ってくれればいい」と口にした。これで交流戦は10勝12敗。苦戦が続いたが、21日からのロッテ2連戦に勝てば、星を五分に戻すことになる。【益田一弘】