<中日7-5ロッテ>◇22日◇ナゴヤドーム

 小池で5割!

 今季初5連勝!

 横浜から移籍2試合目の中日小池正晃外野手(28)が、同点打&決勝2点タイムリーで劇的な逆転勝ちを導いた。2回に移籍後初タイムリーとなる遊撃への同点内野安打を放ち、同点の7回には左越えに決勝2点打。パ・リーグとの対戦に苦しめられていた落合竜を3打点の活躍で救い、一時は「5」まで膨らんだ交流戦の借金をラストゲームで完済。27日から再開されるペナントレースに、勢いをつけた。

 必死だった。小池はロッテ清水の外角カットボールに、夢中でバットを出した。5-5で迎えた7回2死一、二塁。カウントは1-2。中途半端なスイングはできない。打球は前進守備の左翼手の頭上を越え、ワンバウンドでフェンスに到達した。全力で二塁まで走った。2者が生還する決勝2点タイムリー。新本拠地の大歓声の中、上気した顔で二塁ベースに立ちつくした。派手なガッツポーズをする余裕もなかった。

 横浜から移籍して2試合目。こんなに早くお立ち台に上がれるとは思っていなかった。「今年は野球らしい野球をやってこなかったですから」。16日に電撃トレードが発表されるまで、今季の1軍出場はゼロ。05年に20本塁打を放った実績もかすみ「このまま野球をできなくなるかもしれない」と悩んでいた。考える間もなく家族と離れ、名古屋で7年ぶりの寮生活をスタート。この日も封を切っていない段ボールを横目に、平田の車に便乗して球場入りしていた。

 夢中だった。4-5で迎えた2回2死三塁の第2打席では、遊撃への深い当たりを放ち、一塁にヘッドスライディング。移籍後初安打、初タイムリーで同点としていた。「とにかく全力でやるだけなので、気がついたらヘッドスライディングをしていた」。ユニホームの胸の部分には試合後も赤土がこびりついていた。

 故障離脱者が相次ぎ、交流戦に苦しめられていた落合竜を救った。一時は首位阪神に8・5ゲームを差をつけられるほど不振は深刻だった。対戦経験の少ないパ・リーグ相手の交流戦では、借金が「5」まで膨らんだ。だが、小池のフル回転の活躍で最後は今季初の5連勝。勝率5割でフィニッシュだ。落合監督は「けが人はしようがない。ゆっくり帰ってくればいい。帰っても、出るとこないぞ。今いるメンバーで必死こいてやるだろう」と話した。

 ペナントレース再開となる27日の相手は横浜。古巣との初対戦となる小池も力が入る。「早い段階で結果が出てよかった。これも何かの縁。必ず3連勝してやっつけたいと思います」。逆転優勝を狙う竜の一員として、連勝継続を宣言した。【村野森】