オレ竜が正念場を迎える。北京五輪野球の日本代表編成委員会が17日、東京都内で開かれ、中日から岩瀬仁紀投手(33)川上憲伸投手(33)荒木雅博内野手(30)森野将彦内野手(29)が代表24人に選ばれた。1球団4人は12球団最多。クライマックスシリーズ進出圏ギリギリの3位に甘んじる中日は、台湾代表チェン・ウェイン投手(22)を含む主力5人を欠いた状態で、五輪期間中の最大14試合を戦うことになる。

 巻き返しを狙う中日から、五輪期間中に主力5人が抜けることになった。日本代表に、守護神岩瀬、エース川上、1番荒木、万能選手森野が選ばれた。落合監督はこれまで「何人でも持っていってくれ。それが全面協力ということ。それだけの準備はしている」と話してきた。だが現在は2位巨人と0・5ゲーム差の3位。激しいクライマックスシリーズ進出争いが予想される中、痛い離脱だ。

 逆転で代表入りした森野はあわただしい1日を過ごした。6月20日に発表されたの代表候補39人から外れていたが、一転して代表入り。そのために巨人との北海道シリーズを終えて札幌から名古屋に戻るチームを離れ、東京に移動。「国立スポーツ科学センター」で代表選手に必要なメディカルチェックとユニホームの採寸などを行った。チームとは5時間遅れの午後6時半に名古屋に帰り「疲れました。チームを離れることは複雑です。ただ選ばれたからには覚悟を決めてやるしかない」と話した。

 代表選手の正式発表を受け、チームも動きだした。この日、ナゴヤドームの練習ではデラロサが、セカンドに入って守備練習を行った。高代野手総合チーフコーチは「二塁はデラロサ?

 そうなる。森野の位置には、小池や平田らが頑張るしかない」。守護神とエースが抜ける投手陣については、森バッテリーチーフコーチが「残っている人間でやるしかないだろ」と険しい表情で言った。

 日本代表が金メダルを獲得した場合、帰国は8月24日が予定されている。その場合、中日は最大14試合を代表不在で戦う。内訳はヤクルト5試合、巨人、広島、横浜が3試合ずつ。黒星が重なればBクラス転落も視野に入ってくる。華やかな北京五輪の裏側で、落合竜の底力が試されることになる。【益田一弘】