苦境脱出へ、まずは打ち込みだ。阪神野手陣が18日、甲子園の新室内練習場で、異例の強制打撃練習に取り組んだ。通常、月曜日は野手は移動日休みとなるが、この日はベテランや休養組を除く10人が指名を受けた。桜井はその後、約30分の特打で広島との対戦に備えた。前回の広島との3連戦では、3試合でわずか6得点しかできず、今季初の同一カード3連敗。8月は2勝8敗と「最下位」の虎が、8勝3敗で「首位」の広島に立ち向かう。

 普段は先発投手陣だけが顔を出す月曜日の指名練習に、野手陣の顔がズラリとそろった。高橋光、葛城、藤本、林、平野、鳥谷、桜井、バルディリス、狩野、小宮山…。新室内練習場で、10人はフリー打撃、マシン打撃、ティー打撃と90分間にわたり、代わる代わる場所を変え、黙々とバットを振り続けた。

 林

 打たないと点も入らないし、チャンスでしっかり(走者を)返せるようにしないと。早めに1点を取って投手を楽にさせて、いいリズムで勢いに乗れるようにしたい。チームもこういう状態だし、点を取らないと投手もしんどいから。

 阪神は8月の10試合で2勝8敗。初戦の横浜戦こそ大勝したが、その後の9試合で奪った得点はわずか18点。1試合平均2点の現状に、首脳陣もたまらずメスを入れた。

 広沢打撃コーチ

 次(広島戦)はルイス、大竹だからな。(2人の速球に)ヘッドが負けないように。変化球もあるけど、まずは真っすぐ。こんなことを話したら、変化球も投げてくるだろうけどな。

 阪神はここ8試合、先制点が奪えず、先取して自慢の継投で逃げ切るという得意の勝ちパターンに持ち込めていない。前回5~7日の広島戦(京セラドーム大阪)では、3試合でわずか6得点しか奪えず、3連敗。敵地で同じ失敗を避けるためにも、強制打撃指令を出した。

 今季2安打の桜井は、さらに30分の特打で3連戦に備えた。「『打つか?』って言われたんで打ちました。振り込みたかった?

 そうですね。打ててないんで」。出口のないトンネルはない。得点を重ねて目の前の試合で勝つことが、今のチームにとって一番の良薬になる。