<中日4-2横浜>◇19日◇広島

 中日が先発中田賢一投手(26)の好投と、久々のつながりを見せた活発な打線で快勝した。中田は速球がさえて7回5安打2失点。6月15日以来、約2カ月ぶりの先発勝利で7勝目を飾った。打線は1、5、7回に中軸が3連打で得点を重ねた。迫っていた4位広島、5位ヤクルトがともに敗れたため、ひとまずクライマックスシリーズ出場圏外への転落危機は逃れた。

 中田は約1カ月ぶりの白星をかみしめた。「そうですね。久しぶりですね…。とにかく1人、1人、ペース配分なんて考えずに投げました」。7回5安打2失点で7勝目。自身の連敗を3でストップ。先発としては6月15日オリックス戦以来約2カ月ぶりの勝利だった。

 最大のピンチは3-1で迎えた5回だった。連打で1死一、三塁のピンチを招くと代打鈴木尚の打球がウッズの野選を誘って1点差に迫られた。だが、続く1番石川に対しては4球連続ストレート勝負で三ゴロ併殺。「いいところはあまりなかったですが、運がよかったです」と言うように気迫と粘りで乗り切った。

 13日の前回登板広島戦(広島)では2回までに5点のリードをもらいながら守りきれず逆転負け。翌14日には試合前の練習に最後まで残って球拾いをした。さらに試合ではベンチ入りして落合監督の隣で観戦するなど猛反省を課された。それでも「僕はそんなに落ち込んでいないですよ。落ち込んでいる暇はないですから」とひたすら前を向き、今回の登板へ調整してきた。

 4-2の8回からは継投に入ったが、3番手浅尾が危険球退場。その後、リーグタイの1イニング3死球を与えるなど予想外の展開となった。それでも逃げ切った勝利に落合監督は「思い通りにいかないのが野球だよ。あれ(危険球)は本当に予期せぬ出来事だった。(リリーフが)よくもったと思えばいいんじゃないか」と苦笑い。中田の復活星で貯金ゼロからの2連勝。どん底だったオレ竜に少し明るい材料が増えた。【鈴木忠平】