<ソフトバンク6-7ロッテ>◇7日◇福岡ヤフードーム

 わずか15秒ほどの会見だった。重苦しいムードが、選手サロンを包む。ソフトバンク王監督は沈思黙考の後、もの静かに口を開いた。「何と言ったらいいか、言葉がないな…。勝ちパターンだったけどね。まあ、それ以外に言うことはないわ」。座右の銘に「気力」を掲げる王監督も、さすがにショックを隠せない。延長12回で敗れ、3連敗。7月6日以来の借金1となり、プレーオフ進出圏外の4位にまで順位を下げた。

 唯一の勝ちパターンで負けた。4点リードの9回。王監督はセーブが付かない状況でも、抑えの馬原を投入した。2連敗は中継ぎ陣がリードを守れず、9回の馬原までたどり着かなかった。「とにかく今年はすべて、まさか、まさかの連続だ」。王監督には予想外の結末が待っていた。1死後、馬原は2安打と四球で満塁とされると、代打橋本に同点満塁弾を浴びた。馬原が06年シーズン途中に抑え転向後、1試合4失点はこれが初。満塁本塁打もプロ初被弾だった。

 馬原は今季、右肩炎症で開幕を2軍で迎え、7月25日に1軍昇格。復帰後は順調にセーブを重ねていたが、8月21日の西武戦から4日連続を含む「5連投」もこなした。3日の日本ハム戦で7セーブ目をマークしたが、自身初の1イニング2暴投を記録するなど、連投の影響は否めない。5連投の際に王監督は「本当は使いたくないんだけど」と登板過多を懸念していたが、その不安は的中した。

 残り30試合を切っての4位は、98年以来、実に10年ぶりのことだった。私服に着替えた王監督は「まあ、頑張りましょう」と言い残し、監督車に乗り込んだ。危機的状況の打開へ、手は打つ。9日の楽天戦からは腰痛で戦列を離れていた柴原が、61日ぶりに1軍復帰する。【中村泰三】