<西武4-3ロッテ>◇16日◇西武ドーム
3年越しの天敵退治を、西武細川亨捕手(28)が果たした。1点を追う4回1死満塁。ロッテ渡辺俊の125キロシンカーを引きつけ、ひっぱたいた。三塁手のグラブをはじく逆転2点適時打に、こぶしを握りしめた。「飛んだところが良かった。カーブで攻められていたけど、シンカーは一番いいボール。それは頭に入れてました」。決め球をたたいて、自信を打ち砕く。捕手として、最高の仕事ぶりだった。
「体が勝手に反応した」とこともなげに話したが、内角低めに食い込むシンカーは見逃せばボールという難しいコース。それでもナインは誰も驚かなかった。チーム内では「誰も打てない難しい球は打てるのに、ド真ん中が打てない」と冗談交じりに言われ続けている。悪球打ちのスペシャリストならではの名人芸。この回に挙げた3得点で勝負を決め、今季5連敗、昨年から7連敗していた苦手サブマリンに雪辱できた。
対策も十分だった。大久保打撃コーチは「ミーティングはいつも全体でやるけど、今日は個人でやった。各自にデータを渡して、狙い球を絞らせた」と徹底的に研究した。前回の9月2日は敗れたが、5点を奪っていた。この日は6安打ながら、少ないチャンスをものにして4得点。クライマックスシリーズで再戦する可能性がある難敵への苦手意識を、シーズン中に払拭することができた。
前日のゲームで、左肩直撃の死球を受けた細川は言った。「痛み?
まったく問題ないです」。人前では決して弱みを見せない。しかし舞台裏では、左腕を持ち上げることができないほどの痛みに襲われ、この日も痛み止め薬を飲んでの強行出場だった。この時期に、正捕手の座は譲れない。優勝マジックは7。強い西武の中心に、細川がどっかりと座る。【柴田猛夫】




