最下位の中日を相手に2連敗した巨人。首位争いが熾烈(しれつ)なだけに、勝っておきたかった試合だが、収穫があった。4連敗中で、負け数が先行しているルーキーの竹丸と、失点する試合が多くなり、勝ち試合で投げなくなっている大勢に復調の兆しが見えた。

先発の竹丸だが、なぜ勝てていないのか不思議に思えるような内容だった。その根拠として挙げられるのが、真っすぐの良さ。キレもコントロールも文句なし。特に右打者の内角に決まるクロスファイアがいいから、右打者に投げる落ちる系の変化球が効いてくる。欲を言えば左打者も落ちる系の変化球がウィニングショットとして使えるようになれば、安定感は増していくだろう。

技術的には問題ないが、勝っていない焦りはあるのだろう。同点に追いつかれた4回のピッチングはもったいなかった。特に先頭打者の細川と、無死一、二塁からの石川昂に与えた四球が悔やまれる。制球力を乱したというわけではなく、勝てていないだけに慎重になりすぎ、コーナーを狙い過ぎた印象があった。球審のストライクゾーンが狭かっただけに、もっと大胆に投げてもよかった。

同点の7回からリリーフで登板した大勢も、真っすぐの力は戻っている。少し制球力を乱し、腕が振れなくなっていたイメージがあるが、腕を強く振れるようになっていた。これでストライクゾーンに制球できれば、フォークも生きてくる。

竹丸は今試合では勝敗がつかなかったが、技術的な乱れはない。ひとつ勝てればリズムを取り戻すだろう。4回の失点も味方のエラーによるもので、自責点ではない。自信を持っていい内容だった。大勢にしても、ピシャッと抑える試合を挟むことで、調子を取り戻すことがある。真っすぐは150キロ台中盤を出し、コントロールもまずまず。2人とも本来のピッチングができるような気配があった。

巨人が首位争いをしているのは、投手陣の踏ん張りがあるから。ルーキーながら開幕投手を務めた竹丸は、相手チームのエースと投げ合うことが多い。打線の破壊力が欠けるだけに、接戦が多い印象がある中、リリーフ陣も踏ん張っている。セ・リーグの首位争いを盛り上げていってほしい。(日刊スポーツ評論家)

中日対巨人 7回裏、巨人2番手で登板し中日打線を無失点で抑えた大勢(撮影・加藤哉)
中日対巨人 7回裏、巨人2番手で登板し中日打線を無失点で抑えた大勢(撮影・加藤哉)