来季から広島の本拠地になる新広島市民球場について、マツダが命名権を事実上取得したことが5日、分かった。球場名として応募した「MAZDA

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 スタジアム広島」が新球場の名称になりそうだ。マーティー・ブラウン監督(45)は秋季キャンプを行っている宮崎・日南市内で「スピードというイメージ」と話し、新名称を歓迎。来季は広くなる球場で機動力野球を目指しており、フレッシュな球場で大暴れする意気込みだ。

 鼻歌を刻みながら、ブラウン監督は上機嫌で天福球場を後にした。「<歌詞>ズン、ズン、ズズン~♪」。来季の本拠地になる新しい球場の名前がほぼ決まり、09年のビジョンが一層鮮明になった。通訳から「MAZDA

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 スタジアム広島」と伝え聞くと、笑顔でうなずいた。

 ブラウン監督

 いいんじゃないですか。マツダという名前は広島県でよく聞くからね。『ドカーン、バシーン』というか、ロケットが飛んでいくというか、スピード、迫力、勢いというイメージがあるね。

 自動車メーカーのマツダが命名権を事実上取得。契約希望金額は来年4月から5年間で15億円になる見通しだ。カープを率いる指揮官の脳裏をよぎったリズム感は、くしくも09年に目指すべきチームスタイルにマッチしていた。今季のチーム盗塁数はリーグ3位の69個だった。しかし、チーム内には13盗塁した天谷や12盗塁の赤松ら、俊足の選手が台頭しつつあり、来季は新しいフィールドで赤ヘルナインが縦横無尽に駆け巡るシーンが浮かび上がる。

 松田オーナーも広島市内で「どんな愛称になるか分からないけど、その愛称で長く呼ばれるのが私の望みです」と期待を寄せた。球場が広くなるため、これまで以上に機動力を生かしたプレーを重視。宮崎・日南秋季キャンプのメニューにも積極的に走塁練習を組み入れており、来季のCS進出、優勝を目指すチーム作りを着々と進めている。

 ナインも新しい歴史を刻む意気込みだ。選手会長の倉が「勝っていって、球場名と一緒に僕らの名前も広められるようにしたい」と話したように、心機一転して来季を迎えて、新しいネーミングを定着させたいところ。新生カープがセ界で大暴れすれば、優勝の2文字もズームアップする。【酒井俊作】