阪神の坂井信也オーナー(60)が11月30日、横浜からFA宣言していた三浦の獲得失敗に失望感をあらわにし、近日中にも球団フロントを事情聴取する考えを明らかにした。

 坂井オーナーは三浦の横浜残留について「仕方がないですね。(三浦は)一生懸命考えて決めたんでしょう。結論は尊重したい」と言った。しかし、FA補強の本命を取り逃がしたことで、何度も「残念」と口にした。その失望感がフロントへの厳しい注文につながった。

 「補強の方針が外れたことは確かだ。三浦君も結論が出たし、外国人(メンチ)も決まりそうだという。これでいいのか。再検討しないといけない。南君、沼沢君にもう1度聞かないといけない」と南信男球団社長(53)沼沢正二球団本部長(50)に今オフの補強の経緯を問いただした上で、新たな補強など、善後策を協議することとした。「若い投手の伸びしろを聞かないといけない。ただ淡い期待ではいけない。(活躍の)確信じゃないといけない」と希望的観測やあいまいな期待ではなく、球団経営のプロとしての責任を伴った意見を求める。さらにドラフト会議についても「思惑通りにとれたのかどうも聞かないといけない」と発言した。事情聴取の席では「真弓さんとも会う機会があれば…」と指揮官同席の可能性も示した。

 一方で、3年総額12億円の三浦獲得資金はプールされた状態となった。中日からFA宣言した川上について「やみくもに次から次へとはいけない。よく絞っていく時期に入っている」と慎重に話した。だがその一方で「総合的に判断したい。その上で必要ならやらなきゃいけない」と含みも持たせた。【益田一弘】