早くもライバルに先制パンチ!
阪神林威助外野手(リン・ウェイツゥ、30)ら20選手が27日、沖縄・宜野座球場で合同自主トレを開始した。林は初日から屋外フリー打撃でサク越えを連発。34スイングで12発を放った。右翼の座を争う桜井広大外野手(25)は打撃の感触を確かめるように30スイングし、サク越えはなし。ライバルが慎重なスタートを切る一方で、林が仕上がりの早さを見せつけた。春季キャンプの見どころの1つ「林・桜」戦争が、熱く始まった。
「宜野座第1号」が宣戦布告を告げる号砲だ。ドスン!
ドスン!
ドスン!
フリー打撃開始から5分も経たないうちに、グラウンドが「林劇場」と化した。平野とともに1番手で打撃ゲージに入る。その3球目。長い滞空時間の1発が、合同自主トレでのチーム第1号となった。さらに立て続けに2本のアーチを架け、いきなりの3連発。「風ですよ、風」。林の笑顔には充実感が漂っていた。
計34スイングで12発。3連発も2度お見舞いした。「毎年同じペース。早く仕上げている意識はないですよ」。台湾代表として第1回WBCを間近に控えていた3年前の06年春季キャンプから変わらぬ早期仕上げ。今年も3月に第2回大会が開催され、代表候補として早めに準備を進めている事実を差し引いても、明らかに存在感が際立っていた。
2つの変化が好調を支える。昨年12月、バットの改良に着手。2年連続で本塁打王を獲得した横浜村田タイプのバットを選択した。約890グラムから910グラム程度まで重さも変化し「グリップが細くなって(バットの)ヘッドが重く感じる」。年末年始は長距離打者仕様のバットを故郷・台湾に持ち帰り、屋外フリー打撃を続けた。そこでつかんだ好感触を、沖縄でもキープしている。
昨年7月8日巨人戦(甲子園)で帰塁した際に痛めた左ひざの状態も良化。下半身を使ったフルスイングが完全復活した。「足が使えるようになったことが大きい。強く振れるようになった。しっかり体重を軸足に乗せる意識を持たないといけない。下半身中心に回転する意識で振っている」。フリー打撃前のティー打撃では、陶器のような素材をプラスチックで包んだ約700グラムの重り(米国製)をつけた、約1・6キロのバットを力強く振った。状態は良化する一方だ。
1年前はキャンプ不参加。07年12月に右肩を手術し、福岡県内の病院でリハビリキャンプを励んだ。当時を思い返せば、プレーできる喜びを感じる。「練習できないとプロ野球選手じゃない。結果を出さないといけない」。この日の合同自主トレ初日はフリー打撃後、走塁練習、30分間の特打、さらにウエート室に90分間こもった。
今季は桜井、新外国人メンチ、葛城、ベテラン桧山ら実力者との右翼争いが待っている。中でも桜井との対決は周囲から注目も高い。真弓監督も沖縄キャンプでは2人を同組で競わせる方針で今キャンプの見どころの1つで、右翼争奪戦が激しくなるほど首脳陣は大歓迎。真弓阪神のシーズンを占うカギにもなる。
ライバル桜井は30スイングでサク越えなし。調整法の違いはあるが、まずは林が猛アピールした。近日中にはメンチも来日予定。「しっかり、できることをアピールしたい」。2・1のキャンプインを前に胸は高鳴る。ライバルのエンジン全開を前に、林が豪快な先制パンチを放った。【佐井陽介】
[2009年1月28日11時45分
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