ドーマンは精密機械!?

 広島の新外国人スコット・ドーマン投手(30=レイズ3A)が沖縄1軍春季キャンプ2日目の2日、来日初めてブルペンでの投球練習を行った。沖縄市野球場に近接する特設ブルペンで29球を投げた。最速155キロの触れ込みだが、この日は球威よりも、低めに集まる速球の制球に評価が高かった。他球団スコアラーも「荒れるタイプではない」と話した。今季はリリーフでの起用が決定。未知の助っ人が、まずは素材の良さを示した。

 構えた石原が微動だにしない。右打者の外角低めに投げる。内角低めへの速球も正確にミットへと吸い込まれる。ドーマンがブルペンでの投球練習を初披露した。最速155キロとうたわれた剛腕の印象はない。むしろ精度の高い制球が光った。新助っ人も胸を張る。

 ドーマン

 配球も良かったし、ブルペン初日にしては満足しています。日本にいても、米国にいても、野球をやるのは一緒。ロケーション(制球)には自信を持って投げているからね。

 この日投じた全29球のうち、速球は20球だった。そのうちジャッジした審判によるストライクのコールは15球。セットポジションで投じ、そのほとんどを、低めに集めた。視察した阪神井沢スコアラーは「投げ方も安定している。どちらか言うと制球で勝負するタイプなのかな。155キロの触れ込みだけど、あのフォームで150キロ近く投げるなら脅威ですね」と警戒した。中日善村スコアラーも「荒れるタイプではない」と評価。制球難で“自滅”するタイプではなさそうだ。

 セールスポイントだった自慢の剛速球は、これから磨いていくことになりそうだ。初めての日本流のキャンプ。メジャーに比べれば2週間ほど早く、本格的に始動した。手探りで調整し、今後状態を高めていく。

 ドーマン

 シーズンの2カ月前から野球をやるのは始めてだよ。しっかり球を握って、投げる形を固めたい。85%くらいの力で投げられた。150キロ速球?

 いつになるか分からないけど、シーズンに入ったら、肩の状態も上がると思う。

 救援陣の一角として起用される方針だ。ブラウン監督も「良かった。低めに決まるし、スライダーも遅れて曲がる。キレもあるね」と評価した。この日投げたスプリットは制球も定まらなかったが、まだまだ試運転。剛腕は少しずつベールを脱ぐ。【酒井俊作】

 [2009年2月3日11時16分

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