これは使える!

 楽天のドラフト1位ルーキー藤原紘通投手(24=NTT西日本)が18日、沖縄・久米島野球場で行われた紅白戦に2番手で登板し、中村紀洋内野手(35)から三振を奪った。17日、身につけたばかりのシュートも駆使し、2回を無失点。紅白戦通算でも4回無失点と自信を深めた。

 藤原は開き直っていた。打席には、子供のころのあこがれだった中村紀。テレビの画面で見るのとは、わけが違った。「大きい。懐が深いというか、コースに投げようとしても目標とずれちゃう。なんなんですかね」と不思議な感覚にとらわれていた。だが、そのオーラの中に、おくすることなく投げ込んでいった。

 初球は内角高めの直球でのけぞらせた。そして2ボールからの3球目には新球を試しに行った。17日のブルペンで、杉山コーチから握りを教わったばかりのシュート。見逃しでストライクを奪った。最後はカット気味の速球で空振り三振。「テレビで見ていた人ですから。対戦するなんて、イメージもしていなかったです。あれだけの人から空振りも取れたのは自信になります」と手応えを得た。

 シュートが使える球だということも、確認できた。「球種が増えたことは大きいです。変化球はスライダーとチェンジアップしかなかったので」と新たな武器を喜んだ。収穫たっぷりだった中村紀との対戦。その相手から「インサイドがカット気味に来る。マジで空振りしました。タイミングも合わせづらい投手だと思います」と褒められたことを伝え聞くと「光栄です」とはにかんで、初々しさをのぞかせた。【竹内智信】

 [2009年2月19日11時7分

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