<中日6-0横浜>◇4日◇ナゴヤドーム

 中日のドラフト1位野本圭外野手(24)が、ルーキー一番乗りの豪快アーチで開幕2連勝を導いた。横浜戦(ナゴヤドーム)に6番右翼で初先発。2回の第1打席で先発グリンから右越え先制2ランを放った。

 2回1死一塁、カウント2-3。変化球を捨てタイミングの合っていなかった直球を狙った。狙い通りの真ん中高めをたたいた。右翼へ伸びる打球を見ながら全力で一塁を回った。「入った、と思った後、気づいたらハイタッチしていました。その間のことを覚えていないんです」。二塁手前で飛びはねてガッツポーズをしていた。

 3万6000人の観衆の前でお立ち台。本塁打の感想を聞かれても言葉が出てこない。「はい…、そうですね…」。「き、緊張しています」。プロ2打席目での初安打が本塁打。いつもの冷静さもどこかに吹っ飛んだ。

 一時は開幕も危ぶまれた。3月20日ソフトバンク戦で左足を痛めて離脱した。それでも登録期限の同31日に2軍戦で実戦復帰し、開幕28人に滑り込んだ。84年、岡山市内で出産予定日よりも早く生まれた。7月7日「七夕」に生を受けた次男に、両親は強運を感じたという。その予感通り、野本のプロ野球人生は劇的に幕を開けた。【鈴木忠平】

 [2009年4月5日8時21分

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