<楽天2-4日本ハム>◇28日◇Kスタ宮城
ノムさん、そう簡単に1500勝はさせません。日本ハムが楽天との首位攻防第1Rを制した。先発の八木智哉投手(25)が5回5安打2失点の好投で、昨年8月以来の白星となる今季初勝利を挙げた。左肩の違和感に悩まされ、昨年1勝止まりの06年新人王左腕が、完全復活の足がかりを築いた。打線も糸井嘉男外野手(27)が4打数2安打3打点の爆発で援護。ドラフト上位入団から紆余(うよ)曲折を経た苦労人2人の活躍で首位をキープした。
執念で踏ん張り続けた先に、出口があった。かつての左腕エース八木が、復活への布石となる1勝を挙げた。5回2失点。底冷えする杜(もり)の都で、指先に息を吹きかけながらの粘投だった。「9連戦の初戦だったし、いい流れで1勝したかった」。マウンドで体現したフォア・ザ・チームの思いが、自身今季初勝利へとつながった。
つまずいたが、立ち上がった。1回にいきなり2死球。制球が定まらず大量失点の可能性もあったが、最少1失点で切り抜けた。「序盤は良かったけれど、自分で苦しめた部分もあった」。4回まで毎回安打の苦しい内容。楽天の守備のミスなど荒れ模様の流れの中でも、自分を見失わなかった。直球、スライダーなどを丁寧に低めに集める真骨頂を発揮し、86球で勝利投手の権利を得るまでにたどり着いた。
山あり谷ありの野球人生を変える、きっかけになりそうな1勝だった。1年目の06年に12勝で新人王。順風満帆なスタートだった。そのシーズン終盤に左肩を痛め、自分を見失った。以後2年間はそれぞれ4勝、1勝止まり。フォームも崩し、試行錯誤の日々だった。その間に結婚をし、2人の男の子の父にもなった。知佳夫人が運転手を務めるマイカーで、2軍の鎌ケ谷へ通勤する、苦しい日々からも解放される兆しが出てきた。
好調の打線の陰で、先発陣がやや不安定。藤井が2軍落ちし、手薄だった左腕だけに救世主になった。梨田監督も「もうちょっと放らせたかったけれど、寒い中でよう頑張ってくれた」と感謝する奮闘。北国ダービーになった首位攻防初戦で、チームを再び、単独首位へと押し上げた。「次はもっとしっかり投げたい」。止まっていた時計の針が動きだした八木が、再ブレークへのスタートラインに立った。【高山通史】
[2009年4月29日10時45分
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