<中日4-1横浜>◇17日◇ナゴヤドーム

 中日森野将彦内野手(30)が、気迫のヘッドスライディングで今季2度目の3連勝に導いた。1-0の6回1死一塁。一塁走者として和田の左前打で三塁に達したが、打った和田が一、二塁間にはさまれた。ここでタイミングよく再スタートを切り、本塁へ頭から滑り込んで2点目をもぎ取った。森野の気迫満点のプレーで、チームは7回にも2点を取り快勝。借金を2に減らし、19日からの交流戦に臨む。

 森野が中日の3連勝を呼び込んだ。気迫のヘッドスライディングだった。1-0と1点リードの6回だ。3番森野が中前打で出塁すると、4番ブランコが倒れて1死一塁。続く5番和田の放った打球は左前にポトリと落ちた。一塁をオーバーランとした和田が一、二塁間に挟まれた。その間に、三塁で止まっていた森野がタイミングを見計らって再スタートした。

 本塁へ頭から飛び込んだ。結局、本塁への送球が遅れた横浜のミスを誘い出し、ボーンヘッドの和田もセーフ。激走した森野はその場に突っ伏して数秒間は動けなかった。

 森野

 足がフラフラでしたよ。必死でした。ヘッドスライディング?

 倒れただけって感じです。でももしスキがあればいこうと思っていた。(和田を挟殺しようとして一塁手の)ジョンソンがなかなかこっちを見なかった。最近、みんな挟殺が多いですから。あの場面で何とかしたかったんでね。今日は点につながってよかった。

 打撃復調へ試行錯誤を続けている。この日も練習中に「何とか良いときに戻そうとしている。タイミングとか。もうちょっと上げていければ」と気合を入れていた。試合前には落合監督に指導を仰いできた。その効果もあって、5月6日に2割1分6厘まで下降した打率はこの日で2割4分8厘まで復調した。

 だがクリーンアップとしては満足出来る数字ではない。本塁への激走はもどかしさを振り払い、自らの閉塞(へいそく)感を打ち破るという気持ちの表れでもあった。

 交流戦前最後の試合でチームは上昇気流に乗ってきた。4月の開幕4連勝に続き、今季2度目となる3連勝で借金を「2」まで減らした。一時は最下位の危機すらあったが、ようやく息を吹き返した。19日は西武戦(大宮)で交流戦の開幕を迎える。「打ってスカッとして迎えたかったが、仕方ない。何とかチームが勝てたんで良かった。今年はいい交流戦にしたいですね」。勢いづいた森野がパ・リーグを相手にさらなる活躍を誓った。【桝井聡】

 [2009年5月18日11時46分

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