「ブラブラ対決」に勝つ!

 阪神クレイグ・ブラゼル内野手(29)が「オレ流」を貫き、「オレ竜」の主砲に対抗する。30日からは中日3連戦が敵地ナゴヤドームで行われる。中日の4番ブランコは現在リーグトップの21本塁打を放っているが、ブラゼルは「彼は彼。僕は僕」と自然体を強調した。セ界キングに見劣りしないパワーの持ち主はチームの勝利を最優先。1発よりも巧打を狙い、悩める虎を救ってみせる。

 敵の実力は認めるが、負けるつもりはない。ブラゼルは余裕すら漂わせながら、きっぱりと言い切った。

 「他の選手がどうこうやっても、自分のスタイルを変えることはない。彼も1年目で頑張っているけど、彼は彼。僕は僕で普段通りにプレーするだけだよ」。

 30日から中日3連戦がスタートする。竜の主砲は同じ80年生まれのブランコ。相手はここまでリーグトップの21本塁打。持ち前のパワーを存分に発揮し、打率2割8分9厘、52打点の活躍を見せている。一方のブラゼルはシーズン途中の加入で15試合に出場し、打率3割3分3厘、5本塁打、14打点。十分な数字を残しているが、あえて力ではなく技でセ界キングに対抗するつもりだ。

 西武時代の昨季は打率2割3分4厘。27本塁打、87打点を記録しながら安定感を欠いた。その反省から「僕は大きいのを狙いすぎると空回りしてしまう。だから長打はヒットの延長、というつもりでやる。結果として、それがチームの勝利につながればいい」。首位巨人に13・5ゲーム差をつけられての5位。交流戦明けは横浜3連戦に2勝1敗と勝ち越したが、後がない状況に変わりはない。まずは勝利が最優先。そのためなら、自慢のパワーも封印する。

 真弓監督は3連戦を前に「相手がどうであれ、勝たなきゃいけない。4番に打たれてはいけない。4番を封じれば(得点力が)下がるから」と力を込めた。ブランコを要注意人物に挙げたが、虎には救世主ブラゼルがいる。昨季は中日戦4試合に出場し、打率2割1分4厘、0本塁打。だが、今年のB砲はひと味違う。「ブラブラ対決」を巧打で制し、勝利をグッと引き寄せる。

 [2009年6月30日12時4分

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