<ソフトバンク7-6楽天>◇22日◇福岡ヤフードーム
鷹のアニキが執念のV打だ!
ソフトバンク小久保裕紀内野手(37)が6-6の7回1死一、三塁から右前に決勝のポテンヒットを放った。5点差を追いつかれる嫌なムードを一瞬で変えた。チームでただ1人、全試合に出場する主将の働きで3カードぶりの勝ち越し。前半戦を首位日本ハムと1ゲーム差の2位で終えた。ペナント争いが本格化する後半戦も、頼れる小久保が引っ張る。
ドン詰まりの、力ない不格好な打球に思いがこもっていた。7回1死一、三塁。グウィンにカウント2-2と追い込まれていた。
前半戦の締めくくりで絶対に勝たないかん試合。流れは完全に相手だった。みんながつないでくれて、あそこは反対方向しか考えていなかった。
エース杉内が5点リードをはき出し、6回途中降板という予想外の展開だった。「あそこしかチャンスはなかった」。内角高めの直球に詰まった当たりがポトリと右前に落ちた。勝利への執念を形にした決勝タイムリーに一塁ベース上で白い歯をむき出しにした。
今季は主力の故障離脱が相次ぐが、ただ1人、全試合出場を続ける。チーム最年長37歳も右足や腰に爆弾を抱え、万全な体と言えないが、奥歯をかみしめながらプレーする。「(阪神)金本さんもそうやけど、チームの軸になる人が休んでなければ、若い人も簡単に痛いって言わんやろ」。現役時代の秋山監督以来、10年ぶりにキャプテン制が復活。春季キャンプ中には主力組のA組全選手を食事に誘い、本音トークでV奪回への思いをぶつけた。左胸に刻んだ「C」マークに強い責任感を持っている。
緊急補強で加入したオーティズがキャップ姿でフリー打撃をしていたある日。小久保は打撃ケージに歩み寄り、黙ってヘルメットを手渡した。仲間を思う、さりげない行動だった。
今度(チームの)決起集会でも言おうと思うんやけど、不注意によるけがや体調管理不足による風邪はやっちゃいかん。ここまでこのメンバーで戦ってきた。1人が「おれくらい休んでもいいだろう」じゃだめ。接触プレーとかは仕方ないけど、細心の注意を払っていてほしいよね。
最大借金4あったチームが交流戦連覇で勢いに乗り、前半戦を首位日本ハムと1ゲーム差の2位で終了。「鷹の祭典」と銘打った3連戦の最後を1点差で制し、3カードぶりに勝ち越しを決め、V圏内でシーズンをターン。主将の「バトン」を渡した就任1年目の秋山監督の顔に自信の色が浮かぶ。「小久保はつなぐ意識が大きかった。こういう試合ができているってのは大丈夫なんだろう」。
勝利の瞬間、特製の「鷹吹雪」が舞い、ドームは今季最高の盛り上がりをみせた。ただ、お立ち台の小久保は「今日は締めて戦えよ、というゲームでした」と冷静だった。後半戦が真のペナント争い。慢心しない主将の言動がチームの強さを象徴している。【押谷謙爾】
[2009年7月23日11時19分
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