<中日2-4巨人>◇25日◇ナゴヤドーム

 こん身の152キロをはじき返された。中日浅尾拓也(24)は捕球姿勢をとる間もなく、痛烈な打球が中堅に抜けていくのを見守った。2-2の延長10回2死満塁。巨人の6番谷に痛恨の2点タイムリーを浴びた。三塁走者に続き、二塁走者ラミレスがホームに駆け込むのが見えた。「申しわけないです…。大事な試合というのはわかってたんですが」。言葉を絞り出すのがやっとだった。

 燃えていた。先発チェンが9回2失点と好投しても、決着がつかない。ベンチの指示を待つまでもなく、セットアッパーのアドレナリンは分泌されていた。先頭坂本を真っすぐで一ゴロに仕留めた。続く松本の初球に154キロをマークし、最後はフォークで一ゴロに打ち取った。あと1人。ここから2安打と敬遠で満塁とされ、立ち直れないまま谷に仕留められた。

 巨人キラーだった。今季救援で4試合に登板し、パーフェクトに抑えていた。最大9ゲーム差からのミラクル逆転Vを実現するには3連勝、悪くても2勝1敗と勝ち越しておきたい一戦。絶対に打たせるつもりはなかったが、初失点して9敗目を喫した。

 ゲーム差は3・5に開いた。落合監督は「今日はこういう日」と多くを語らなかったが、その目は早くも、26日の第2戦に向いていた。【村野森】

 [2009年8月26日8時38分

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