守護神が帰ってきた!

 調整のため戦列から離れていた中日岩瀬仁紀投手(34)が1日、ナゴヤドームで行われた投手練習に合流した。練習復帰は8日ぶり。早ければ3日の横浜戦(横浜)で復帰登板する。過去に登板したクライマックスシリーズ(CS)8試合はすべて無失点。頼れる守護神がCS、日本シリーズに向けて再び実戦モードに突入した。

 8日ぶりの練習復帰だった。この日、練習に参加した投手は吉見、チェンら先発陣だけ。中継ぎ、抑えでただ1人、参加した岩瀬は1番最後に姿を見せると、黙々とランニングをこなした。その後、小笠原とともにキャッチボール始めると、70メートルまで距離を伸ばした。グラウンドでの練習を終えると、森バッテリーチーフコーチとともにブルペンに消えた。

 岩瀬が最後に登板したのは9月19日の横浜戦(ナゴヤドーム)。23日巨人戦(東京ドーム)前の練習を最後に、全体練習にも参加していなかった。28日からの巨人3連戦(ナゴヤドーム)では今季初めてベンチからも外れていた。

 この日の岩瀬は吹っ切れた表情だった。チーム方針で詳細は明かされていないが、左腕に長年の勤続疲労が蓄積されていたことは間違いない。中日がCS進出を確定させている状況も考慮。チームを離れて別の場所で完全に独自調整。本人は明かさなかったが、CSへ向けて数日間の“秘密練習”をこなしていたようだ。守護神は「(巨人の)優勝が決まったときから(気持ちは)切り替わっていますよ」とキッパリ。完全にスイッチが「ON」に替わっていた。

 中日が今後、頂点に駆け上がるためには左腕の力が不可欠だ。数字がそれを証明している。過去8試合のCSはすべてゼロ封、7セーブを挙げている。日本シリーズも過去11試合に登板し、無失点に抑えている。CS、日本シリーズの防御率は驚異の0・00だ。ポストシーズンにめっぽう強い男は「CS?

 そのために今日は(ナゴヤドームに)来ましたから」と力強く話した。

 早ければ3日の横浜戦に登板する。森バッテリーチーフコーチは「3日か4日には投げるよ。心配しなくていい。投げられるから(ブルペンを)見ているんだ」と3日横浜戦か、4日阪神戦で復帰登板させること考えを示した。岩瀬も「(3日か4日か)どっちかは投げたいですね」と意欲を見せた。既に3年ぶり3度目のセーブ王のタイトルも確定した。守護神にとって必要なものは日本一だけ。チームのためにフル回転する舞台がやってくる。【桝井聡】

 [2009年10月2日10時23分

 紙面から]ソーシャルブックマーク