フル稼働で球団記録だ!

 権藤博が持つ球団の年間最多登板記録、69試合にあと3と迫った中日浅尾拓也投手(24)が2日、残り3試合すべてに登板する意欲を見せた。この日、ナゴヤドームで汗を流し「投げるつもりで準備します」と、明言した。今季はここまでチームトップの66試合に登板。残り3試合も疲れ知らずの体でマウンドに立ち、球団史にその名を刻む。

 48年ぶりの快挙に向け、ためらいなどなかった。中日の最多登板球団記録は、1961年に権藤がマークした69試合。偉大なOBが打ち立てた最長不倒まであと3試合に迫った浅尾は、残されたゲームすべてに全力で挑む決意を明かした。

 「あと3試合というのは知っています。権藤さんも(数字を)増やそうと思って投げたわけじゃないと思うけど、投げるつもりで準備します。出してもらった試合でしっかり結果を残したい」。

 9月30日の巨人戦では出番がなく、権藤超えの可能性はなくなったが、まだ球団タイ記録到達の望みは消えていない。リーグ2位が確定し、残りは消化試合だが、2週間後に迫ったCSに向け、コンディションを整えていくためにも、残り3試合は貴重な登板のチャンスでもある。

 浅尾は今季、開幕投手を任され、5月中旬までの約1カ月半、先発ローテの一角を務めた。そして、交流戦前からセットアッパーに復帰。守護神岩瀬につなぐ重要な役割を担い、ここまでリーグ3位の37ホールドポイントを記録してきた。当然、CSでもセットアッパーを務める予定。岩瀬の体調次第では、守護神を任される可能性もあり、これからの2週間は大事な調整期間となってくる。

 「ブルペンで投げる時は、バッターに立ってもらったりして、試合のつもりで投げるつもり。休み過ぎず、疲れ過ぎず、1球目から思い切り投げられるように体調を整えたい」。

 この日はナゴヤドームでの練習に参加。キャッチボールやダッシュの後は、自らフリー打撃の外野守備を務めるなど、積極的に汗を流した。最近は制球を気にすることもあったが「感覚も戻ってきたので、初心に戻って、思い切り腕を振って投げたい」と、調子も上向き。あとは出番を待つばかりだ。

 残された試合は3日の横浜戦(横浜)、4日の阪神戦(甲子園)、11日のヤクルト戦(神宮)の3試合。プロ3年目右腕は、ファンの大きな夢を背負い、まずは3日、横浜のマウンドに上がる。【福岡吉央】

 [2009年10月3日10時42分

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