横浜は11日、来季新監督に元巨人投手総合コーチの尾花高夫氏(52)が正式に就任することを発表した。3年契約で年俸は総額3億円(金額は推定)。13日に行われる就任会見は、横浜港を周遊する豪華遊覧船「マリーンルージュ」で行われる。球団としてはもちろん初、球界としても異例の船上会見。あっと驚く演出で「新生尾花丸」が出帆する。

 遊覧船は、歌手サザンオールスターズの歌詞にも登場する横浜を代表する観光スポットだ。新生横浜のスタートに、とっておきの演出を用意し、発案した加地隆雄社長(68)も「間違いなく球界初でしょう。これこそサプライズです」と胸を張る。

 10月の就任から、加地社長が言い続けてきたのが地元密着。ドラフト1位指名も横浜高の筒香だった。通常ならホテルなどで行われる就任会見も、大桟橋やランドマークタワーなど観光名所を候補に調整。最終的には新体制の「船出」で決定したが、船を選んだのは、状況に応じて即断速攻で挑む新たな球団の姿勢をアピールスル狙いもある。同社長は「横浜を盛り上げなくてはいけない」と、地元ファンのバックアップを得て、2年連続最下位からの浮上を狙う構えだ。

 当日の天気予報は「曇り時々雨」と微妙だが、晴れていれば、ベイブリッジを背景にしたスカイデッキ上で社長と新監督の握手が行われる。「いよいよベイスターズ丸、尾花丸の出港です。かじ取りは加地ですからね。楽しみにしていてください」。社長の笑いも止まらなかった。【鈴木良一】

 [2009年11月12日9時31分

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