巨人木佐貫洋投手(29)とオリックス高木康成投手(27)の交換トレードがほぼ合意に達したことが3日、明らかになった。中継ぎ左腕が不足している巨人と、経験ある先発投手の獲得を望むオリックスの思惑がピタリと一致。細部を詰めた後で近日中に両球団から発表される予定だ。

 盤石といわれている巨人のリリーフ陣の、唯一のウイークポイントが左投手不足だ。今季も勝ち負けのかかる場面では、山口に頼らざるを得ない状況が続いた。山口が球団記録を更新する73試合に登板したのは、左腕不足の裏返しでもある。高木は07年に中継ぎとして54試合に登板し防御率2・62と安定した成績を残している。昨年に左ひじの手術を受けた影響で今季は登板機会が減ったものの、山口への負担を軽減するリリーフ左腕となれる能力を秘めている。

 一方のオリックスは先発ローテーションのほとんどが20代中盤の若い選手。経験不足のため、好不調の波が激しいのが悩みだった。来年30歳を迎え、投手として円熟期に入る木佐貫の加入はこれ以上ないカンフル剤になる。03年新人王の木佐貫は右肩手術を乗り越えて07年に自己最多の12勝を挙げて見事に復活した。外国人選手や東野ら若手投手の台頭により、ここ2年間は1軍で活躍する場を失っていたが、先発ローテの柱になれる可能性は十分にある。

 故障やチーム事情により1軍での登板機会の少なかった両者だが、新天地で活躍の場が広がるのは間違いない。去年まで伝統のGT戦で火花を散らした巨人原監督とオリックス岡田監督が、今度はタッグを組んで互いのウイークポイントを埋め合う形になる。交渉は最終段階に入っており、近日中に両球団から発表される見込みだ。

 [2009年12月4日8時20分

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