今オフに阪神を退団したジェフ・ウィリアムス投手(37)が12日に日刊スポーツの取材に応じ、4月中に実戦復帰するプランを明かした。現在は米国で左肩手術のリハビリ中で、すでにキャッチボールを再開しているという。「去年はチームメートやファンを失望させた。それを必ず埋め合わせる」と虎党に“帰国”を約束。回復次第では球団側も再契約を検討する姿勢で、シーズン途中の電撃復帰が現実味を帯びてきた。

 日本を離れても、猛虎愛が薄れることはなかった。米国で懸命のリハビリを続けるウィリアムスが阪神復帰への意欲をあらためてアピールした。「もちろん、日本に戻って、またタイガースでプレーしたい」。7年間在籍し、2度のリーグ優勝を経験。いまもファンの間で抜群の人気を誇るだけに、虎党にとってはうれしい言葉だ。

 シーズン途中の再契約を目指すことになるが、実現に向けて、自信はある。昨年12月初旬に痛めていた左肩を手術。これが退団の大きな要因にもなっていた。気になる回復具合は順調そのものだという。主治医からは「手術は成功した。100%の回復が見込める」というお墨付きをもらった。リハビリの専門家の協力も得て、回復のプログラムを実行中。その過程で好感触をつかんでいる。「状態はとても良いよ。去年の年末にはキャッチボールも始めた」。温暖な米国アリゾナ州ですでにスローイングを再開している。

 阪神球団もウィリアムスを功労者の1人として高く評価しており、回復次第でシーズン中の再契約を検討する構えだ。もし引退を選択しても、駐米スカウトで迎え入れる考えがある。まずは現役で復帰することが本人にはハッピーな結末だが、現実味を帯びてきそうだ。「3月末にはマウンドに上がれると思うし、4月末には試合でも投げられそうだ」。4月中の実戦復帰をプランとして描いていることを明かした。当初は実戦復帰できるのは夏場あたりという情報もあったが、大幅に前倒しされる可能性がある。

 今年で38歳を迎えるサウスポーがなぜそこまで阪神復帰に情熱を燃やすのか?

 「去年は僕のケガのせいで、チームメートやファンを失望させてしまった。それを必ず埋め合わせるという決意でトレーニングをしている」。昨季は自身の不調と故障で戦線から離脱。それがブルペンに負担をかけたと責任を今も感じている。「僕や家族が日本にいたころのファンの支えや応援は、一生忘れられるものではない。彼らのために投げようと、高いモチベーションで日々を送っています」。自身の武器であるスライダーのような切れ味鋭いメッセージで日本への“帰国”を約束した。

 [2010年1月13日10時45分

 紙面から]ソーシャルブックマーク