ベテランが早くも“キャンプイン”!!

 広島の17選手が24日、沖縄合同自主トレのため、沖縄市内の宿舎に入った。プロ22年目の石井琢朗内野手(39)も合流し、25日からは自主トレ期間でありながら「キャンプ流」調整を敢行する。午前8時過ぎにウオーミングアップを開始するなど、2月1日からの沖縄春季キャンプに即したタイムスケジュールを組む。通算2355安打の大ベテランが意欲的に戦闘態勢を整える。

 練習メニューを伝えるミーティングが終わっても、石井は部屋に居残った。太平洋を望める沖縄市内のリゾートホテル。トレーニング内容を管理する鈴川アスレチックトレーナーと練習方針を確認する。言葉の端々に情熱がこもっていた。

 石井

 (昨秋日南キャンプと同じ)あの流れで行くよ。僕も「パターン」を作りたいからね。

 鈴川

 メニューは、去年と一緒ですか?

 石井

 ちょっと新しいメニューも入るかもしれない。

 若手顔負けの練習量は今年も変わらない。25日からスタートする合同自主トレで誰よりも早い午前8時に宿舎を出発する。ナイン全員でのウオーミングアップ開始は午前10時。1時間以上も早く球場入りして体を温める。徹底した自己管理が「石井流」だ。

 昨秋の日南キャンプでも早朝散歩を終えると、午前7時半にはそのまま球場に直行した。ストレッチ、ランニング…。キャンプと同じタイムスケジュールをいきなり自主トレの段階から行う。2月1日のキャンプインに、最善の状態で臨むための入念な準備だ。

 「あくまで自主トレなので、やりたいことをメーンにやれればいい。いままで自主トレでやってきた流れでやりたい」。すべては、1年間フル回転するための試運転にすぎない。横浜を戦力外になり、広島に移籍1年目だった昨季はスタメン、守備固めなどで出場。不動のレギュラーとして第一線に出てからはワーストの打率2割2分7厘にとどまった。巻き返しを期すカープ2年目に、恒例の伊豆自主トレをへて沖縄入りした。

 「去年は不安が強くて半信半疑というか。今年のほうが流れも分かっている。(精神的に)すごく楽だと思います。体もそれなりにできている。この時期の目標は…。開幕1軍ですね」

 謙そんしたが、その一方で強いモチベーションを保つ。今年から、かつて遊撃手のライバルとしてしのぎを削った野村監督がタクトを振るう。「最初から『控え』と思っているなら1軍に残れない。気持ちを前面に出してね。自然と、そういう雰囲気になるでしょう。人一倍、反骨精神の強い監督ですから」と話す。チームの目標はあくまで優勝だ。ベテラン石井が闘争心あふれるプレースタイルで、野村イズムを体現する。【酒井俊作】

 [2010年1月25日10時54分

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