<日本ハム6-3阪神>◇3日◇札幌ドーム

 ジョー、ジョー、デビューだ!

 阪神新加入の城島健司捕手(33)が初のオープン戦で、いきなり好発進だ。日本ハム戦に「4番捕手」でスタメン出場。初回の第1打席、初スイングで初ヒット。2月21日、初実戦の紅白戦で見せた初スイング弾をほうふつとさせる、勝負強さを見せた。果敢な走塁、4回0封の頭脳的なリードも披露。3・26シーズン開幕も同様の大暴れ、頼みまっせ!

 また初スイングだった。1点を先制した直後の初回1死一塁。城島がカウント0-1から内角直球をぶったたいた。つまった打球をパワーで押し込み、左前に運んだ。2月21日紅白戦(安芸)の初スイング弾に続き、オープン戦デビューを初スイング安打で飾った。

 城島

 ゲームでいつも速い球を待っている。内角近辺にきたら振っていく。

 初安打だけで安心しない。一塁走者鳥谷が三塁に走る姿を見て、果敢に二塁を狙った。タッチアウトになったが豪快に滑り込んだ。「(試合後に)用事があるんじゃないか、というような暴走。(序盤の)接戦を生んだのは僕です」と冗談めかしたが、走塁重視のチーム戦術にトライした。

 「内角に投げてくれなければ、メシが食えない」。春季キャンプ中にそう口にした。初球でも積極的に振る。2打席目の3回1死満塁では初球ストレートを打って二飛に倒れたが「いいつまりでした」と納得顔。和田打撃コーチは「1死満塁で初球から振っていける。チャンスに強い打者の条件でもある。気持ちを打席で出してくれている」と感心した。

 マスクをかぶっても存在感は別格だった。先発フォッサムの外角球が不安定と判断し、内角球を積極的に要求。初回2死一塁でボークをとられた助っ人左腕にはイニング間にグラブの静止について話し合い。「疑わしきは罰するのが日本のスタイル。今の時期だからフォッサムにとっては大収穫だった」と振り返った。

 周到な準備も隠されていた。2回1死一塁では糸井に二盗を許した。「フォッサムはフォームを盗まれ、僕が肩が弱い」と言ったが、メッセンジャーも含めた助っ人2投手にはけん制やクイックのサインを封印。「自分の力でどれくらい走者をホールドできるか、みないと。(セットで投げる)タイムは僕も知りたいし、ベンチも知りたいはず」。しっかりシーズン本番を見据えていた。

 準備でもジョー流を貫いた。選手バスよりも1時間30分早く球場に先乗り。30分間、黙々とスタンド内のコンコースを走った。フォッサム、メッセンジャーをリードして4回を0封発進。「結果うんぬんじゃなくて捕手としてやることは普通にやれているから問題ない」。4日も5イニングの出場を予定。勝つための準備へ、どんどんペースを上げる。

 [2010年3月4日14時0分

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