<日本ハム6-1中日>◇16日◇鎌ケ谷

 中日の新外国人ディオニス・セサル外野手(33=メキシカンリーグ)が深刻な打撃不振にあえいでいる。2番中堅でフル出場したが、外野にすらボールが飛ばずに4打数無安打。オープン戦打率は最下位独走の1割2分2厘だ。

 試合後、セサルは疲れた表情でロッカーを出てきた。第1打席は日本ハムの新外国人ケッペルの変化球を引っかけて一ゴロ、第2打席は速球に振り遅れて三振。体が投手方向に突っ込んでしまう悪癖が修正できず、打球に力がない。「だんだんと日本の投手に慣れていかないといけない」とうなだれた。

 石嶺打撃コーチは「悩んでいるという感じではない。今は練習でも強い打球を打とうと工夫している。本人も考えているし、もう少しすればよくなってくると思うよ」と話した。両打ちで俊足巧打の新助っ人はV奪回のキーマン。今季は勝負強い井端を6番に置く構想だが、それが実現するかどうかはセサルが2番を打てるかにかかっている。

 キャンプ以降、打撃フォームを崩しているセサルに対して落合監督が直接指導する場面もあった。それでも経験と技術を信頼し、「2番・中堅」は指定席だ。セサルは首脳陣の揺るぎない信頼に応えるしかない。【鈴木忠平】

 [2010年3月17日11時2分

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