<横浜9-3阪神>◇18日◇横浜

 阪神城島健司捕手(33)が、3・26開幕でぶつかる横浜に「ジョーの考え」を実践した。18日、開幕前最後の横浜戦(横浜)で久保と組んだ。マスクをかぶった3回までに6失点したが、城島流の配球を貫いた。

 ポイントは4番村田に対する90キロ台のパームだった。初回1死二塁から2ランを被弾。しかし2回2死二塁の2打席目でも同じボールを要求した。結果は痛烈な遊撃への適時内野安打。同じ球種を再び打たれたが、織り込み済みだった。

 城島

 打たれた球を使わないというのは、僕らが完全に後手になる。投手の持っている球種を打たれたからといって消していくことがないように。なるべく次の打席でも使いたいというのが僕の考え方。1年で20回以上も戦う相手なので。

 打たれた球種を封印すれば、次回対戦で攻め方が限定される。ジョーの考えでは長いシーズンを戦う上でバッテリーの首を絞めることにつながる。吉田バッテリーコーチは「村田は遅い球に強いタイプ。パームを続けたのは、オープン戦でもあるし、試した部分があったのだろう」と話した。

 城島は「(横浜と)最後の対戦だったから、打たれて気持ちのいいことはない。ただ少し言葉は悪いけど、打たれないと勉強にならないこともある」と言った。目先の一球一打にとらわれるのではなく、本番を見据えて相手の特長をインプット。1年間トータルで勝利に近づくことがレギュラー捕手の務め-。打たれても腰を引かずに、バッテリー主導でどんどん打者を攻めていく。【益田一弘】

 [2010年3月19日12時2分

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