<横浜6-3広島>◇11日◇横浜スタジアム
広島前田智徳外野手(38)が代打で豪快な復活弾を放った。4点を追う9回2死走者なしで登場。横浜の守護神山口の4球目、内寄り速球を振り抜くと、打球は高く舞い上がり、右翼席最前列に吸い込まれた。
空恐ろしい集中力だ。球場の球速表示は「151」を計時。今季5打席目でのシーズン初安打は、08年5月25日ロッテ戦(広島)以来、686日ぶりの本塁打だった。内田打撃統括コーチも「素晴らしい。150キロの球に対して力負けしない。あそこまで持っていくんだから」と舌を巻いた。
剛速球に振り遅れないのには理由がある。昨季は下半身の故障が絶えずプロ入り初めて実戦出場できず終わった。広島・廿日市市内の大野練習場でリハビリに専念した。マシン打撃では、人知れず工夫を凝らした。通常は120キロ真ん中真っすぐの条件で打撃マシンを設置するが、前田智は球速を10キロアップさせ、コースも真ん中低めに設定。カーブマシンも真ん中ではなく外角低めに配する。グラウンドキーパーが「本人のリクエストです」と話すように、より実戦に近い環境を整えてスイングを重ね、眼力を保った。
同コーチは「スイング量が半端じゃない」と言う。この日は通常メニューの前に室内練習場で打撃練習を行うなど意気盛ん。無言で引き揚げたが「代打の切り札」の背中から熱気があふれ出ていた。【酒井俊作】
[2010年4月12日11時53分
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